1. 一様分布の最尤推定について
区間上で定義される一様分布に従う母集団からの実現値をとすると、のそれぞれの確率密度関数は次のように表されます。
ここで、 は観測されたデータです。
このパラメータとを最尤推定法により求めていきます。
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2. 尤度関数の設定
観測データに対する尤度関数は、個々の観測値の確率密度関数の積として定義されます。
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3. 尤度関数の最大化
尤度関数が最大となる最尤推定量とがどうなるか考える際に、次の前提をおさえておきましょう。
一様分布の定義からからの範囲外の値が生成される確率はになります。
これが意味するところとして、仮に観測データセットの中に少なくとも一つの値()がからの範囲外(または)の場合は確率がになり、同時確率密度関数である尤度関数もになります。
具体的には、がまたはのとき尤度関数は次のようにになります。
これを踏まえて、最尤推定量を考えていきます。
観測データが与えられたときに、観測データ内の最大値と最小値を次のように定義します。
ここで、より大きい値をパラメータ()に設定すると、のときにとなり尤度関数がになります。
同様により小さい値をパラメータ()に設定すると、のときにとなり尤度関数がになります。
そのため、との条件は次のようになります。
一方で、尤度関数は減少関数となるので、よりもを小さくしたり、よりもを大きくしたりすると、尤度関数が小さくなっていきます。
以上を踏まえると、尤度関数を最大化するパラメータは、はとなることがわかります。
これにより、の最尤推定量は次のように求めることができます。
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