1. 離散分布の場合
1. 同時確率分布
離散型確率変数とがあり、それぞれが特定の値とを取る確率を考えます。
このとき、とが同時に特定の値を取る確率を同時確率分布と呼び、次のように表されます。
確率分布なので、全ての可能な値の確率を合計すると、次のようにになります。
2. 周辺分布
周辺分布は、片方の変数に注目したときの確率分布です。
例えば、の周辺分布は、の値に関わらずが取りうる値の確率分布で次のように計算されます。
同様に、の周辺分布も次のように計算されます。
3. 期待値
とで構成される関数をとしたとき、同時確率関数に関する期待値は次のように計算されます。
のみの関数だった場合には、次のようになります。
2. 連続分布の場合
1. 同時確率分布
連続型確率変数の場合、同時確率分布は、とが特定の区間内に存在する確率密度関数を用いて表されます。
確率分布なので、全ての可能な値の確率を積分すると、次のようにになります。
2次元の累積分布関数は次のように計算されます。
同時確率分布と累積分布関数は次の関係が成り立ちます。
2. 周辺分布
連続型の場合、周辺分布も積分を用いて計算され、一方の変数を全範囲にわたって積分することで、もう一方の変数の確率密度関数を得ます。
の周辺分布は次のように計算されます。
の周辺分布は次のように計算されます。
3. 期待値
とで構成される関数をとしたとき、同時確率関数に関する期待値は次のように計算されます。
のみの関数だった場合には、次のようになります。
3. 確率変数の独立性
確率変数とが独立である場合、これらの変数間には相互作用がないと考えられます。
このとき、次の条件が成立します。
これは、との同時確率分布がそれぞれの周辺分布の積と等しいことを意味し、とが互いに影響を及ぼさないことを示しています。
4. 例題
例題として、次の同時確率分布を使用して、いろいろ計算してみたいと思います。