この記事ではモーメント母関数の導出および期待値・分散の導出を解説します。
多変量正規分布の解説については、次の記事で解説しています。
こちらも合わせて確認してみてください。
1. モーメント母関数の導出
モーメント母関数の定義に従って、多変量正規布の場合のを設定します。
多変量正規分布の確率質量関数を代入します。
指数関数部分を結合します。
ここで指数関数部分のの箇所を考えます。
とはスカラーとなるため、次の関係が成り立つことを利用しています。
これを用いて、式を整理すると次のようになります。
以上をまとめると、次のようになります。
積分の中身を見てみると、平均,分散に従う多変量正規分布となるので、積分した結果はになります。
よって、多変量正規分布のモーメント母関数は次のようになります。
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2. 期待値の導出
期待値はモーメント母関数の一階微分にを代入することで得られます。
先ほど求めた多変量正規分布のモーメント母関数を使用して、多変量正規分布の期待値を求めてみます。
を代入すると次のように求めることができます。
となるため、このようにモーメント母関数から期待値を求めることができました。
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3. 分散の導出
分散はモーメント母関数の二階微分にを代入した値を使用して、次のように求めることができます。
先ほど求めた多変量正規分布のモーメント母関数と期待値を使用して、多変量正規分布の分散を求めてみます。
を代入すると次のように求めることができます。
これを利用して分散の公式にあてはめます。
このようにしてモーメント母関数から分散を求めることができました。
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