この記事ではモーメント母関数の導出および期待値・分散の導出を解説します。
幾何分布の解説については、次の記事で解説しています。
こちらも合わせて確認してみてください。
期待値の定義通りに期待値・分散の導出は次の記事で解説しています。
確率母関数から期待値・分散の導出は次の記事で解説しています。
1. モーメント母関数の導出
幾何分布の確率質量関数は、次のように定義されます。
モーメント母関数の定義に従って、幾何分布の場合のを設定します。
幾何分布の確率質量関数を代入して、式を整理します。
ここで、の箇所のみ考えます。
として、からまでの等比数列の和を求めます。
とおいて計算します。
としていたので、は次のように表すことができます。
次に、のときを求めます。
これはをしたときなので、次のように求めることができます。
ここで、の箇所は、のときに収束します。
以上をふまえると、モーメント母関数は次のように求めることができます。
以上が幾何分布のモーメント母関数の導出になります。
2. 期待値の導出
期待値はモーメント母関数の一階微分にを代入することで得られます。
先ほど求めた幾何分布のモーメント母関数を使用して、幾何分布の期待値を求めてみます。
を代入すると次のように求めることができます。
となるため、このようにモーメント母関数から期待値を求めることができました。
3. 分散の導出
分散はモーメント母関数の二階微分にを代入した値を使用して、次のように求めることができます。
先ほど求めた幾何分布のモーメント母関数と期待値を使用して、幾何分布の分散を求めてみます。
を代入すると次のように求めることができます。
これを利用して分散の公式にあてはめます。
このようにしてモーメント母関数から分散を求めることができました。